さて、そろそろ目醒めますか。


by m051643g
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結局こうして風がほんとの秋風になる

線路沿いの道を毎日歩いて帰る。
見上げる空はいつもの見慣れた空。

空を見上げるたびに想う。
今頃どの空を歩いているのだろう。
あたしが見つめるこの空と同じ空なのかはわからない。

秋の空が高いということを感じたのは小学生のときだった。
あれも小学生の秋だった。
突然、強く思ったこと。
「みんなだいすきだからしぬところなんてみたくない。だれひとりあたしよりさきにしなないで。そんなことがおこるまえにあたしがさきにしにたい」


9月14日17時15分。
この刻を一生忘れない。

全てが急に始まって、急に終わった。
まるで予定されていたかのような終わりに向かう時間。
どうしてもその流れには乗りたくなかった。

最初からずっと意味がわからなくて、意味がわからないまま全てが終わって。
悲しみから取り残された。

花が好きだったひとは、たくさんの花に囲まれて、逝ってしまった。
秋桜を背に微笑む写真があたしたちに残された。
読経してくれたお坊様が、仰った。
「お顔を拝見したらしっかりと目をつぶってらっしゃいました。現世での役目を終えられたことに満足していらっしゃるのだと思います。これからは良い仏様になるための道を歩まれるのです」
あのひとが、良い仏様にならないわけがない。

「清く澄んだ山の一点の曇りもない静かな日の光」という意味の新しい名前をもらって、あのひとは旅立った。

だけど、本当はまだ認められない。
時折思い出して、火が付いたように泣いていると、怒られる。
「そんなことじゃいつまで経ってもいい場所に行けない」と。
それでも、本当はいつまでも傍にいてほしいと思ってしまうのだから。


今頃どの空を歩いているのだろう。
ようやく風がほんとの秋風になって、高い空に吹き渡る。
秋桜を揺らす同じ風があのひとの歩く空にも届いているのだろうか。



空を見上げる度に想う。


おばあちゃん。
えいこのおばあちゃん。
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by m051643g | 2009-10-05 00:41